「訪問看護師としてスキルアップしたい」
「訪問看護師におすすめの資格が知りたい」
このような方におすすめしたい資格が、今回解説する在宅看護指導士です。
民間資格でありながら、訪問看護師が得るべき知識を網羅できると言っても過言ではありません。
訪問看護ステーションに勤務する看護師さん、セラピストさん、また訪問看護に興味のある方も是非参考にしてください。
在宅看護指導士とは?
在宅看護指導士は、2024年に新しく創立された、一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会が運営する民間資格です。
年に一度、各会場でパソコンを使用(CBT 試験)し試験を行います。
問題数90問の択一問題形式です。
実務経験2年以上で受験資格を得ることができ、訪問看護ステーションに勤務していない方も受験対象となっています。
資格名 | 在宅看護指導士 |
運営 | 一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会 |
受験該当資格名 | 看護師、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士 |
受験基準 | 実務経験2年以上 |
試験方法 | パソコン試験(CBT 試験) |
受験料 | 11,000円(税込12,100円) |
試験時間 | 90分 |
認定登録料 | 11,000円(税込12,100円) |
更新料 | ココリンク加入者は原則免除 ただし、ココリンク未加入者は更新時に更新費用5,500円が必要 |
更新期間 | 5年ごと |
在宅看護指導士の合格率と勉強法
2024年第一回開催時の合格率は64.1%と比較的高い合格率でした。
筆者と同時に受験した同僚も全員合格しており、しっかりと対策をすれば、決して難しい資格ではないと言えるでしょう。
しかし、在宅看護指導士の出題範囲は広く、勉強していなければ解けない問題もあるため、勉強時間は確保して臨みたいところです。
具体的な勉強方法は以下の3つがあります。
- 公式テキストを活用する
- Web講習会に参加する
- 模擬試験、予想問題を解く
順番に解説します。
1.公式テキストを活用する
まずは、一般社団法人全国在宅医療マネジメント協会が出版している公式テキストを活用し勉強しましょう。
在宅看護指導士は基本的に公式テキストの内容に沿って出題されますので、テキストを読み込んでいないと合格することはできません。
逆を言えば、公式テキストに沿って勉強することが、合格への近道になります。
11項目のカリキュラムがあり、疾患別ケア、医療・介護保険、緊急時対応、経営に関することまで記載されています。
在宅看護指導士公式テキストカリキュラム一覧
- 在宅看護概論と地域医療の仕組み
- 訪問看護事業の運営
- 訪問看護師に必要な態度
- 営業活動の本質
- リスク管理
- 在宅における緊急性の見極め方
- 疾患別ケア
- 生活を支えるケア
- 家族ケア
- 経営とブランディング
- 在宅看護におけるケアと支援
公式サイト、またはAmazonや楽天等で購入することができます。
2.Web講習会に参加する
Web講習会に参加して、公式テキストの内容を動画で勉強することもおすすめです。
図表を多く用いてわかりやすく解説されており、試験対策だけでなく、実際の現場でも役立てることができます。
また、スマートフォンやパソコンから視聴できるため、移動時間も効率よく勉強していきましょう。
Web講習会概要
- 看護師などの資質向上のための研修
- 感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止に関する研修
- 非常災害時の対応に関する研修
- 業務継続計画に関する研修
- 虐待の防止等に関する研修
- ハラスメント研修
- 訪問看護における契約
- 苦情対応
- 悪性疾患のケア(治療期)
- 悪性疾患のケア(終末期)
- 糖尿病のケア
- 心不全のケア
- 脳血管のケア
- 腎不全のケア
- 神経難病のケア
- 慢性肺閉塞性疾患のケア
- 認知症のケア
- 精神疾患のケア
- 栄養管理の実際
- 褥瘡のケアの実際
- 呼吸療法のケア
- 浮腫のケア
- フレイルのケア
受講費用は19,800円(各種手数料・消費税別)で、公式サイトより申し込みが可能です。
3.模擬試験、予想問題を解く
在宅看護指導士は新しい資格のため、過去問集がありません。
そのため、模擬試験や予想問題集を活用し、学習していくことをおすすめします。
模擬試験は公式サイトに加え、アステッキホールディングという医療系の資格をサポートしている会社で受けることができます。
またアステッキ社は予想問題集も出版しており、「ケアまるPro」というアプリと連動することで、外出先でもスマーフォン上で問題を解くことができます。
在宅看護指導士を取得するメリット・デメリット
在宅看護指導士を取得するメリット、デメリットは以下になります。
メリット | デメリット |
---|---|
疾患~経営まで幅広く学べる 訪問看護師が取る資格に特化している 試験勉強ツールが充実している アプリが便利(ココリンク、ケアまる) | 費用がかかる 更新制 試験は年に一度しかない 認知度はまだ低い |
上記にも記載したとおり、在宅看護指導士は訪問看護師が得るべき知識が網羅されています。
訪問看護師は病院での勤務とは異なり、日々の看護だけでなく、経営やお金の流れ、時には営業にも行かなくてはいけません。
また保険情報(医療保険、介護保険)に関する知識も必要となります。
仮に資格取得はできなくても、公式テキストを読むだけでも、訪問看護における知識を得ることができます。
またアプリとの連動が便利で、受験申し込みから合格後の更新管理までサポートしてくれます。
ただ民間の試験ということもあり、受験費用が高額という点は大きなデメリットです。
職場で資格取得の費用を負担してもらえる制度がある場合は、積極的に利用しましょう。
合格までの流れ
申し込みから合格までは以下の流れになります。
- 公式サイトから申し込み→受験書類一式が自宅に届く→「受験者専用ページ」アプリにて実務経験を申告
- 受験資格を満たした場合、圧着ハガキ+「受験者専用ページ」アプリに審査結果と試験会場予約に関するログイン情報が手に入る
- ログイン情報をもとに、試験会場を予約する
- 予約した会場にて受験する
- 一か月前後で合否発表(ハガキ+「受験者専用ページ」アプリ)
- 認定登録完了後、認定証と認定バッジが郵送される
- 5年ごとの更新
基本的に「受験者専用ページ」アプリがあれば情報を得ることはできます。
試験当日は身分証明書が必要になりますので、忘れず持参しましょう。
試験会場の予約は早い者勝ちになるので、ハガキが届き次第、速やかに予約することをおすすめします。
在宅看護指導士は訪問看護に従事する全ての人におすすめ
今回は在宅看護指導士に関して解説いたしました。
訪問看護の資格というと、専門看護師や認定看護師など、受験資格を満たす条件が厳しく、取得までの期間も長いという点で断念した方も少なくありません。
在宅看護指導士は受験するハードルが比較的低いにも関わらず、訪問看護師にとって必要な知識が網羅できるというメリットの大きい資格です。
是非みなさんも在宅看護指導士の資格取得に挑戦してみてくださいね♪